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戦術:バイエルン、サッカー界を変えたペップの考え方 part2 [戦術]

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 前回の続きを書きたいと思います。その前にロナウドについて、すごいですね、23回目のハットトリック。来シーズンの就去がますます気になります(ユナイテッドに復帰って噂も)。では、書きたいと思います。

 マドリーでの1stレグにおいて、バイエルンは試合の主導権を握り、多くのチャンスを作った。しかし、前半19分、バイエルンはレアルの高速カウンターにやられる。ロナウドにDFラインの裏にスルーパスを出され、上がったコエントランがクロス、最後はベンゼマが押し込んだ。バイエルンはチャンスを作りながらも、敵地で0対1で敗れた。この試合で選手たちが感じたのは、自分たちが主導権を握ったことよりも、レアルのカウンターを受け続けたことだった。選手、監督ともに点数以上に2ndレグへの危機感を感じただろう。そして、対策を打たなければもっと大きな差が開きかねない。そう考えたシュバインシュタイガーはペップに対してこう進言した、「ダブルボランチにしてほしい」と。
 
 バイエルンはその1シーズン前、ハインケスの下4231で欧州を制し、三冠を達成した。シュバインシュタイガーはこれに安定感を覚えていた。2ndレグという大一番にも、もう一度その成功モデルで挑みたいと、考えたのだろう。
 本来ペップは、選手から意見は聞くが、議論はしないというポリシーをもっており、本来聞く耳は持たない,,,,,はずだった。だが同時に、バイエルンにおける一年目は、ドイツ文化を尊重すると明言していた。ペップが優先したのは尊重だった。そして、4231を採用した。

 しかし、その「尊重」が裏目に出てしまう。これまでの4123の利点は、二列目にパスコースを多く生み出し、前線に流動性を与えることだった。クライフもこのシステムを使った一人なのだが、彼がこれを愛用したのはまさにこの利点であった。一方、4231はDFラインの前の人数が増えて(CMFが一人増える)守備のバランスが整うが、2列目のパスコースが減ってパスがつながりにくくなってしまう。
 まさに2ndレグでは、これが敗因のひとつになった。


すいません眠くなったので,part3また書きます
短くてすいません。

戦術:バイエルン、サッカー界を変えたペップの考え方 part1 [戦術]

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 未だに無敗でブンデス1強状態のバイエルンの戦術、つまりペップの戦術について書きたい

 一言で言うなら(進化形3バック)といっていいだろう。バルサ時代のパスサッカー同様、またしてもペップ-グアルディオラが戦術の概念を変えよう、いや変えていると言っていいだろう。
 
 バルサ時代、ペップはメッシをワントップにし、(偽9番)という概念をサッカーの歴史に刻み込んだ。相手を攻め込むとペナルティーエリアに敵味方が入り乱れ、ゴール前は制限されてしまう。従来のフィジカルが売りの背の高いストライカーではシュートおろかドリブルさえできなくなる。そこで、169㎝のメッシを送り込んだ。そして彼は期待に応え、新たなる境地を切り開いた。

 昨季、ペップはバイエルンの新監督に就任すると、偽2番という概念を導入した。それを体現したのが、アラバとラフィーニャ、それにラーム(彼はDMFとして出ることが多かったが)であった。攻められているときは4123のいつもと変わらないサイドバックの役割をするが、攻撃のときは、彼らは中央に絞り、DMFのポジションに入る。もちろん、普通にサイドを上がることはあるが、明らかにSBの役割を超えているように見えた。それは、パスコースを増やしたり、カウンターの予防という効果をもたらしていた。

 そして、今季、ペップは新たなるステージに踏み出した。3412(もしくは4321)である。このシステムの重要になるのは5人いる。2CMFの左、もしくはDMF(ボランチの一番底)にいるシャビアロンソ、SBもしくはCMFのアラバ、同じくラーム、SBやLMF、LWGなど左サイドすべてを卒なくこなすベルナト、そしてシーズン序盤、点を取れなくても起用し続けた絶対的CFレバンドフスキだ。
 
 この新しいシステムを説明する前に、なぜ就任一年目とは別のシステムを導入したのか?を説明しよう。それを解き明かすには、ドイツ1年目を振り返る必要がある。ペップにとって自分のチーム構想を変えざるをえないと感じさせた対戦がある。CL準決勝レアルマドリード戦だ。 
 
 この2戦で問題になったのは、バイエルンの超攻撃的サッカーだった。バイエルンは守備のときは4123であったが、攻撃になるとラフィーニャ、アラバがボランチになり、2341になる。この陣形の長所はパスコースが増え、より多彩な攻撃が出来ることであった。しかし、物事には長所があれば短所もある。攻撃時にはレアルにも劣らない攻撃力を誇るが、守備のときは2バックになるという短所があり、それが意味することとは、ボールの失い方が悪いとカウンターで失点してしまう。特に足の速いWGやFWがいるチームには相性が悪い。
 そのシステム的弱点が露になったのが、レアル戦であった。
タグ:CL サッカー

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